この歯はのこせるの?(症例1、2)
右の下の奥歯が割れて、欠けました(白矢印)。この歯を抜いて、親知らずを使えないか、との相談でした。しかし、親知らずの根の先は下顎管と接触し下顎管が変形しています(赤矢印)。これは、下顎管との癒着の可能性を示す像で、癒着の場合、親知らずは矯正治療できません。
しかも、割れた奥歯の根の先に黒い透過像が認められ、この像は根が膿んでいることを示します。この歯は、根の治療が必要です。しかし、割れて欠けた部分(白矢印)が骨の中まで進み、根の治療はこのままでは不可能です。多くの歯科医師は、この歯は抜去と診断するでしょう。
結論は、掛けた部分を治療できる位置まで引き出すころで、治療を可能としました。そして、歯の根の治療を行い、保存しました。
赤矢印の歯は倒れて、歯周病です。この歯は抜去したらいいと、どの歯科医院でも言われたそうです。しかも、白矢印の歯は、矢印の先ままで虫歯が進み、黒矢印の部分に膿がたまっています。赤矢印の歯を抜去しても、この歯の根の治療は困難で、残せる保証はありません。歯は残せるのか、あるいは片方を抜去すれば、片方を残せるのでしょうか。
赤矢印の歯周病は歯を直立することで治しました。また、白矢印の掛けた部分は引き出してから、根の治療を行いました。結果、両方の歯を残すことができました。