「抜かずに、残す」。当院が力を入れている、親知らずや“歯ぐきに埋まって生えてこない歯(埋伏歯)”の矯正を中心に、実際の治療例をご紹介します。他院で抜歯と言われた歯も、矯正治療で保存できることがあります。
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「埋伏歯(まいふくし)」とは、歯ぐきや骨の中に埋まって生えてこない歯のことです(親知らずが代表例)。
※ 掲載している症例は実際の治療例です。治療結果には個人差があり、すべての方に同様の結果を保証するものではありません。外科処置を伴う場合には感染などのリスクを伴います。詳しくは初回相談時にご説明します。(画像をクリックすると拡大表示できます)
IMPACTED TEETH
横向きに埋まった下あごの第二小臼歯。正常に対して約80°傾き、第一大臼歯に接触した「萌出障害」です。通常は抜歯となりますが、抜くと歯を失い骨の欠損も生じます。当院では開窓・牽引という矯正治療を行い、約1年後には歯根も完成し正常な位置に配列できました。
ベネフィットとリスク:歯を保存できる/外科処置(開窓)は比較的リスクの低い方法/治療期間は約1年(症例により前後)/歯根が形成されないことや感染の可能性はある。
文献:Masayo Noda, Takao Noda: Uprighting of a Deeply Impacted Mandibular Second Bicuspid During Root Development, JCO 34, 99-101, 2000.
右下5番の歯に濾胞性歯嚢胞(歯を含む袋状の病変)が発生。従来は歯ごと摘出が行われてきましたが、矯正治療を行うことで、牽引開始5ヶ月後には嚢胞の陰影が消失し歯根の形成を確認。14ヶ月後には歯の根の長さも正常になり、歯を残すことができました。
※ 資料は香川県ご開業の神前先生のご厚意によります。
下の前歯が生えてこないためレントゲンを撮ると、歯が袋状のもの(濾胞性歯嚢胞)に覆われていました。経過観察でも萌出せず袋は拡大。歯を保存するため、開窓と同時に誘導線を装着し、矯正治療で歯を歯列に導きました。歯冠の長さや歯根の形成にも問題は認められませんでした。
WISDOM TEETH
生えてこない親知らずは智歯周囲炎の原因になり、多くは抜歯となります。しかし生えるスペースがある場合、親知らずを起こして(アップライト)咬み合わせに参加させると、噛む力を支える大きな味方になります。奥歯が丈夫になることで前歯も守られ、歯が長持ちします(歯根膜炎の予防)。外科処置を伴わないため、神経麻痺のリスクがありません。
治療期間:約10ヶ月(個人差あり)。
文献:嶋田甚一郎・野田隆夫:水平埋伏第三大臼歯のアップライト(矯正臨床ジャーナル 2008年8月号)/野田雅代・野田隆夫:水平埋伏下顎第三大臼歯のアップライトを行った1例(矯正臨床ジャーナル 2011年9月号)/野田隆夫:実践プリアジャストエッジワイズ法(東京臨床出版, 2013年)。
第二大臼歯を失った部位に、倒れて半分しか見えていなかった親知らずを矯正治療で起こし上げ、手前の第二大臼歯の位置まで移動。親知らずを第二大臼歯として機能させることができました。
COMPLEX CASES
30歳代男性。下顎右側7番が歯周病となり、3件の歯科で「7番・8番を抜歯して義歯かインプラント」と説明された症例。水平埋伏した親知らずが覆いかぶさっていました。骨性癒着の可能性を確かめながら治療的診断を進め、アップライトにより第二大臼歯(7番)を保存できました。
下顎右側の第二大臼歯が傾斜し水平埋伏。さらに親知らずがその上に乗り上げる「重積状埋伏」を呈し、通常はどちらかの抜歯を迫られる難症例です。手前のブリッジも度々外れ保存が難しいと紹介された、第二大臼歯のアップライト・保存に取り組んだ症例です。
CYST & OTHERS
下顎右側の第一大臼歯(6歳臼歯)が萌出しない10歳の女児。6歳臼歯が埋伏することは極めて稀です。基本は減圧療法で、埋伏歯の開窓を行い誘導線を装着。嚢胞内圧を下げることで埋伏歯の自然萌出を促します。早期発見・早期治療により、最小限の外科的侵襲で臼歯として機能する確率が高まります。
割れて欠けた奥歯や、倒れて歯周病になった歯。多くの歯科で「抜歯」と診断される歯でも、欠けた部分を治療できる位置まで引き出したり、傾いた歯を直立させたりすることで、根の治療を可能にし歯を残せた症例です。親知らずの根が下顎管と接触している場合など、保存できないケースの見極めも重要です。
導帯管(gubernaculum tract)は、永久歯を歯槽頂部まで導く道標となる線維性の組織で、歯科用CBCTで確認できます。この導帯管の走行の弯曲や閉塞が、萌出障害や濾胞性歯嚢胞の原因のひとつとなる可能性について、当院で考察・研究している内容をご紹介します。
参考文献:Oda M, Miyamoto I, Nishida I, et al. A spatial association between odontomas and the gubernaculum tracts. Oral Surg Oral Med Oral Pathol Oral Radiol. 2016;121(1):91-95. / Ide F, Mishima K, Kikuchi K, et al. Development and growth of adenomatoid odontogenic tumor related to formation and eruption of teeth. Head and Neck Pathol. 2011;5(2):123-132.
他院で抜歯と言われた歯も、残せる可能性があります。初回相談は予約制です(相談料3,300円・税込/セカンドオピニオン対応)。
042-540-0966診療時間内にお電話ください(木・金・日・祝は休診)。※ オンライン予約は準備中です。