小臼歯を抜いて歯並びを整え、親知らずを残した症例
前歯のデコボコ(乱杭歯)を改善した治療例です。
小臼歯を抜歯して歯並びを整えることで、親知らずが生えるスペースも確保でき、親知らずを残すことができました。


横顔の変化 上下の唇が E-line(鼻先とあご先を結んだ線)まで後退しました


親知らずの抜歯には、神経のしびれ・骨の欠損・骨折などのリスクがあります。一方、小臼歯の抜歯は親知らずに比べて容易に行えます。さらに、横向きに埋まった親知らずでも歯冠も歯根も大きいため、まっすぐ立てて生かすことで、長年にわたって噛み合わせの安定に役立つ可能性があります。小臼歯を抜くデメリットよりメリットが大きい場合に、この治療を選択します。
Before → After① 歯並びの改善


前歯の凸凹は改善し、奥歯の咬み合わせも良好となりました。
Before → After② 顔貌(横顔・正面)の変化


側貌 上下唇はE-lineまで後退


正貌 オトガイ筋の緊張消失
E-line(イーライン)=鼻先とあご先を結んだ線。唇がこの線に収まると横顔のバランスが整って見えます。オトガイ筋=あご先の筋肉。口を閉じるときに力が入ると、あごに「梅干し状のシワ」ができます。
Before → After③ 親知らず(智歯)の保存



Before → After④ 下あごの親知らずをまっすぐ立てる治療




小臼歯を抜いたことで、下あごの親知らずが生えるスペースができました。
親知らずが生えはじめたところで装置をつけ、横向きに埋まっていた親知らずをまっすぐ立てることができました。
Before → After⑤ 上あごの親知らず


- 主訴
- 乱杭歯(歯のデコボコ)
- 治療内容
- 小臼歯抜歯によって得られる複数のメリットを考慮し、上あごの第1小臼歯と下あごの第2小臼歯の抜歯を選択しました。前歯の叢生(デコボコ)を改善し、きれいな歯並びと調和のとれた顔貌を得るためです。唇の突出感を抑えることで横顔のバランスを整え、下あごの「梅干し状のシワ」も改善します。さらに、小臼歯を抜いてできたスペースにより、スペース不足で生えられなかった親知らずが保存できるケースもあります。小臼歯抜歯後の空間は、親知らずの直立で機能回復の可能性を広げるといえます。
- 治療費
- 矯正治療は自由診療です。費用は初回相談・検査のうえ、治療方針とあわせてご説明します(費用の項目)。
- 治療期間
- 2年7か月
- 通院回数
- 矯正治療 22回親知らずの治療 19回
- 想定されたリスク
- 親知らずが必ずしも保存・活用できるとは限らず、骨性癒着や生えるスペースの量によっては抜歯が必要になる可能性があります。
顔貌の変化には個人差があるため、上下唇のE-lineやオトガイ筋の緊張消失など、期待した通りの効果が得られない可能性があります。
野田 隆夫 院長
歯を抜くことに対して不安を抱かれる方は多いですが、小臼歯の抜歯には明確なメリットがあります。外科的侵襲が少なく、親知らずの保存に繋がる可能性があります。また、長期的に咬合の安定に貢献でき、叢生の改善や顔貌の調和を実現できることもあります。将来的な親知らずの活用にも期待が持て、長期的な噛み合わせの安定性と機能性を見据えた治療計画を検討しています。




